告訴について

 

 もし自宅が空き巣の被害にあったとしたら、どうされるでしょうか。まず警察に110番し、駆けつけた警察官に被害を発見した状況を説明し、現場見分をしてもらい、被害届を提出するのではないでしょうか。
   このように、刑事事件では、被害者からの被害申告で捜査が始まることがよくあります。では、被害届と告訴はどこが異なるのでしょうか。被害届は、文字通り、被害があったことを警察官に報告するという手続ですが、告訴は捜査機関に対して犯人の処罰を求める手続です。そして、被害届を受けた警察官は、もちろん事件の捜査をしますが、証拠が十分に収集できなかったときは、捜査を打ち切って事実上終了することがあります。これに対して、告訴を受けた場合、警察官は、捜査して事件を検察官に送付(「送致」と同じ意味ですが、法文上「送付」とされています。)しなければなりません。逆にいうと、事件を捜査して検察庁に送ってもらいたい被害者としては、犯人を告訴するという手段があるのです。
   実際に、告訴を端緒として捜査を開始することはよくあります。性犯罪の被害に遭われた方が犯人を告訴するケース、会社の資金を持ち逃げされた経営者の方が犯人を業務上横領で告訴するケース、巧妙な口車に乗せられてお金を騙し取られた方が犯人を詐欺で告訴するケースなどです。
   しかし、告訴は簡単に受理してもらえるものではありません。犯罪の構成要件を漏らさず、かつ、犯罪事実が特定できるように告訴状などで申告することが求められますし、できる限り証拠資料を添付しておくことも必要です。もし告訴をお考えの場合は、どうぞ弁護士にご相談ください。